ヤマト運輸の従業員が1人ストライキをした理由
宅配最大手ヤマト運輸の兵庫県尼崎市内の倉庫で勤務している男性従業員(55)が19日、熱中症対策が不十分だとしてストライキを行い、東京都港区の同社本社前で街宣活動したのだ。
勤務中には、倉庫内の気温計の針が40度を超えて振り切れた日もあったといい、男性は加入する労働組合「総合サポートユニオン」とともに同日会見し、労働環境の改善や、ファン付き作業服の支給などを求めた。
労組によると、男性が働く兵庫県尼崎市の倉庫は室温が高い状態が続き、吐き気や頭痛など熱中症の症状に苦しんでいるという。
ストライキの通告書では、倉庫内で配達車のエンジンを切ることや、気温や熱中症の危険度を示す暑さ指数「WBGT」の記録、ファン付き作業服や首に巻く扇風機の支給などを求めている。
男性は
「倉庫内のひどい実情を知ってほしい」
「身体を壊し、だましだまし働いている。社員の命にかかわる熱中症対策を少しでいいからまじめに考えてほしい」
「とにかく暑さがひどくて、汗もずっと治らず、慢性的に頭痛がします。今は鎮痛剤でなんとか痛みを抑えて働いています。そうした中、30キログラムの荷物を手に持って仕分けることもあります。病院でも熱中症と診断されました」
「佐川急便では、ドライバーや倉庫作業員にも空調服やネッククーラーを支給していると知りました。
ヤマト運輸は業界最大手ですので、ここが動かないと物流業界は変わらないと思い、ストライキに踏み切りました。
物流は社会インフラです。社会生活に必要なエッセンシャルワーカーである物流労働者の過酷な実態を知ってほしいです」
とこのように訴えた。
ヤマト運輸側が取った対応とは
倉庫には業務用扇風機などが設置されているが、6月末には暑さを感じるようになり、7月には40度まで計測できる気温計の針が振り切れた。
労組は今月上旬にヤマト側と団体交渉を実施。
団交でヤマト側は、気温計は壊れていて室温は最高36度だったとした。
扇風機などは追加設置されたが、労組が求める小型ファン付きの空調服は支給していない。
また、男性と労組によると、倉庫内に空調設備はあるが、外気と区切るドアが全開の上、配達車は倉庫内でエンジンをかけたままのため、室温35度を上回る日がほとんど。
6月には、あるドライバーが熱中症の疑いで倒れたが、適切な応急処置がされず、社側は原因を「本人の不摂生」と説明したという。
男性も8月に熱中症の疑いと診断され、頭痛を抑えるために解熱鎮痛剤を飲みながら働いている状態。
そして、男性らが7月23日に会社側に団体交渉を申し入れたところ、翌日には気温計が取り外されたというのだ。
また、室温のチェックや記録がなかったことも明らかになっている。
ネットユーザーの意見・コメント
今年の夏は特に気温が高いから、倉庫内なんて尋常じゃない気温だと思う。
病気になる前に自分で対策できるところはしっかりやるしかないのかね…。
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